ピカチュウ探偵事務所
日時: 2013/05/05 00:00
名前: かざいわ◆XYSuaUDqWK6 ID:1GWT8xZo

この度の閲覧、誠にありがとうございます。
スレ主のかざいわと申します。
当スレッドでは、オリジナルのポケモン小説を掲載しております。
キャラクターの設定が独りよがりなので、
お読みになる際はキャライメージの崩壊にご注意ください。


登場人物紹介(レギュラー)

ピカチュウ 性別:♂
この物語の主人公で、「ピカチュウ探偵事務所」の所長。
何かと雑で、いつもだるそうにしている。
理屈っぽいので、相手にすると面倒な奴。
すぐに口が悪くなるのもまたタチが悪い。
自宅兼事務所からは今日も愚痴が筒抜け。

イーブイ 性別:♀
「ピカチュウ探偵事務所」の助手。
ピカチュウと相反し真面目な性格で、
事務所を支える縁の下の力持ち。
その反面極度のあがり症であり、自分を見失いがち。
純粋無垢な言動が、ピカチュウを困らせることも。


各話ごとの登場人物紹介はこちら>>1

はじめに>>2
メンテ
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Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.14 )
日時: 2013/05/05 22:28
名前: かざいわ◆XYSuaUDqWK6 ID:1GWT8xZo

---Part8---

 夕刻。
ピカチュウ達は現場検証を切り上げ、事務所へと戻ってきていた。

「ふぅ〜疲れましたね所長。でも、それなりの成果はあったんじゃないですか?」

 イーブイが長椅子にもたれかかり言う。

「あぁ、そうだな。ちょっと情報を整理してみっか」

 ここまでの調査でわかったこと
-----------------------------------------------------------------------------
・ウパーヌオー一家が留守にしていたのは、午前9時〜11時。
・戸締りはしていた。また、強引な侵入の形跡もなかった。
・現場から、白い毛と赤い毛を発見。親子に心当たりなし。
・白い毛は多量、赤い毛は少量であった。
・ウパーの部屋にあったものがほとんどであったが、玄関や階段にも転々と存在した。
・他の場所にはまったく落ちていなかった。
・ほしのかけらの喪失以外に、目立った被害はないという。
-----------------------------------------------------------------------------
メンテ
Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.15 )
日時: 2013/05/05 22:29
名前: かざいわ◆XYSuaUDqWK6 ID:1GWT8xZo

---Part9---

「犯行時刻は、留守中の2時間で間違いないですよね。
 きっと毛の持ち主が犯人なのでしょう。白と赤の2種類だから、2匹組?
 量からして、白いほうが大型、赤いほうが小型ってところでしょう。
 えっと、あとは……」

「どー考えてもおかしい!」バンッ

「ひいぃっ!」ビクッ

 イーブイが考察している途中、突然ピカチュウが机を叩きながら怒鳴り声をあげた。

「なんで戸締りしてんのに強引な侵入の形跡もなく窃盗事件なんだよ!まずそこだよ!
 じゃあ戸締りを忘れてたとするよ!でも毛の経路からして侵入口は玄関なんだよ!なんだよそれ!
 しかも2匹組ってどういうことだよ!窃盗なら1匹で十分だし、
 最初は強盗のつもりだったにしても住居を対象とした犯行にしては不自然すぎる!」バンッバンッ

「いや、そもそもあれだよ……」

「なんで真っ直ぐガキの部屋に入っていってくだらねぇかけらひとついただいておしまいなんだよ!
 馬鹿だろ!いや馬鹿だろ!もっと金目のものくらいあんだろぉよぉ現金とかよぉ!」バンッバンッバンッ

 大荒れである。雨のち雷である。いや、竜巻も発生しているのかもしれない。

「し、所長……と、とにかく落ち着いて……」

 イーブイにはこの暴走大型低気圧をなだめることしかできなかった。
しかし聞いていれば、この事件に不可解な点が多いことくらい彼女にもわかる。

「はぁ……はぁ……イーブイ君、……ひとつ可能性があるとしたらな……」

 ピカチュウがよろめき机にしがみつきながら言う。

「な、なんでしょう……」

「……偽証だ」

「!?」
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Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.16 )
日時: 2013/05/05 23:18
名前: かざいわ◆XYSuaUDqWK6 ID:1GWT8xZo

---Part10---

 イーブイはピカチュウの口から放たれた二文字に動揺を隠せなかった。

「ぎ、偽証って……嘘を……ついてるって、ことですよね……」

「あぁそうだ。捜査の邪魔になる、面倒な偽情報が俺の推理を狂わせている」

 ピカチュウは逆に先程の激情が嘘のように冷静になり、机によしかかりながら話す。

「で、でも!誰が!何のために!」

 純粋なイーブイにはショックが大きい。

「何のためかは知らんが……まあ、偽証をしているのが誰かぐらいは……君にだってわかっているはずだ」

 (うっ)

 そう、彼女も心の中で検討はついていた。
このどうにもかみ合わない情報の歯車につかえを差しているものが。

「……お母さん……ですか」

「おそらくそうだ」

「でも……一体どうして……」

 しゅんとするイーブイ。ポケモンを疑うということにはいささか抵抗が強い。
だが彼女自身、これでは探偵の助手など務まらないことはわかっている。
……わかっている分、余計に辛い。

「そういうことはな、嘘を暴いてみればおのずと見えてくるもんだ。多分」

 ぶっきらぼうのピカチュウにも少し胸にささるものがあったらしく、
彼なりに優しい口調でイーブイに語りかけた。

「お母さんを、問い詰めるんですか……?」

「馬鹿言え。そんなこと意味がない」

 まるで何もわかってないイーブイの返答に、
再びやわらかな色をその表情から失うピカチュウ。

「では、どうやってお母さんの嘘を暴くんですか?」

 片目をつむり、ピカチュウはチッチッと指を振る。

「ヌオー、市場に行ったっつってただろ。あそこからだと、大方オオタケ市場のことだろう。
 ……行ってみるんだよ、俺達も実際に」

「なるほど裏を調べるんですね」

「そうだ。んで、行くのは明日の朝だ。今日はもう帰って休みたまえよ」

 ピカチュウは手をサッサッと甲を向けて振る。
しかし次の瞬間、イーブイから返ってきた予想外の言葉に度肝を抜かれる。

「あのぉ……今日は……事務所に泊まっても、良いですか……?」

 (ほえぇっ!?)
メンテ
Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.17 )
日時: 2013/05/06 00:35
名前: かざいわ◆XYSuaUDqWK6 ID:1GWT8xZo

---Part11---

 今日のイーブイの一連の言動がフラッシュバックし、
今の発言とシンクロ。ピカチュウは完全に取り乱してしまった。

「やはりご迷惑ですか……?」

 慌てるピカチュウを見て、申し訳なさそうにイーブイが言う。

「や、とんでもない、別に、構わない。だがね、だがねイーブイ君」

 その慌てっぷりは言葉を重ねるごとにエスカレート。

「そうですか……では帰らせていただきます。
 お疲れさまでした、お休みなさい。また明日来ます」

 イーブイは精一杯気を使って、微笑を浮かべながら事務所を後にした。

 (やっぱり、迷惑だよね……私ったら、自分勝手すぎだなぁ……
  明日は早めに出勤しよう。所長が寝坊したら大変だもんね)

 一方、自宅兼事務所に1匹残されたピカチュウ。呆然。

「何やってんだ俺……マジで……」

 当然だが、このやり取りに関してもイーブイにはまったく悪気はない。
まして、ピカチュウが懸念して激しく動揺した思惑など、彼女の脳裏には微塵も存在していなかった。

「俺がこのザマで、よくもまあウパーのことを坊主だなんて呼べたものだ。
 笑いがとまんねぇぜ。ハハハ……ハハハ……」

 そう言いながら彼は先程までイーブイのもたれかかっていた長椅子に身を横たえ、
まもなく眠りについた。
メンテ
Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.18 )
日時: 2013/05/06 01:29
名前: あ木偶◆zI5KZfll/F6 ID:90lRYXJA

おお、今後が期待です。
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Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.19 )
日時: 2013/05/08 02:38
名前: かざいわ◆XYSuaUDqWK6 ID:1GWT8xZo

>>あ木偶さん
ありがとうございます^^
頑張って書いていきます。
メンテ
Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.20 )
日時: 2013/05/08 02:39
名前: かざいわ◆XYSuaUDqWK6 ID:1GWT8xZo

---Part12---

 翌朝。

「おはようございます所長〜」

 イーブイは昨日の宣言通り、いつもより早めに出勤してきた。
しかし戸を叩いても、中からの反応はない。

「所長〜?……まだ寝てるんですかぁ〜?」

 やはり反応はない。
ちょっとばかり寂しい気持ちになるイーブイ。

「あれ、鍵が開いてる!」

 そう、昨晩イーブイが帰った後そのままにされていた戸に鍵はかけられていなかった。
不安になるイーブイ。このまま待っていてもしょうがないので、中へ入る。

「失礼しま……あっ、やっぱりまだ寝てる……。どうやら早く来て正解だったみたい。
 ていうか長椅子なんかで寝ちゃって……よっぽどお疲れだったのかな」

 ピカチュウは悪い夢でも見ているのか、さも不満げなしかめっ面をしていた。
イーブイは初めて見る上司のその寝顔にくすりと笑い、身体をゆすって声をかけた。

「ほら〜所長、起きてくださいよ。今日は市場に行くんでしたよね〜?」ユサユサ

「……んぁ?……朝か……わざわざ悪いな……」

 やはり快眠ではなかったらしく、目覚めのよくないピカチュウはボーっとしている。

「……てかなんでお前入ってこれてんだよ」

「そんなの所長が昨日鍵を閉め忘れたからに決まってるじゃないですか。
 さあ、早く顔でも洗ってすっきりしてきてくださいよ」

 イーブイは朝ボケしている自分の上司がだんだん恥ずかしくなってきて、
うつろな目をしたピカチュウを押すように洗面所へと連れて行った。

「……いや」

 蛇口の前に立ったとき、突然ピカチュウの表情が変わる。

「俺は、鍵を……閉めた!」

「えぇっ!?」
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Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.21 )
日時: 2013/05/08 20:05
名前: みつばち◆Q1vD4ecnV4Y ID:wuoancPw

こんばんわ。
そして初めまして!
いろいろと楽しく拝見させてもらっています。
もともと推理系が好きな自分ですが、ポケモンとのコラボが見られるとは・・・
あと、2匹とも可愛過ぎです!!

今後にも期待です。
メンテ
Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.22 )
日時: 2013/05/10 00:58
名前: かざいわ◆XYSuaUDqWK6 ID:1GWT8xZo

>>みつばちさん
こちらでは初めましてですね!ご愛読ありがとうございます^^
ご期待にそえるよう、精一杯頑張ります。

ピカチュウ「2匹とも可愛すぎ?ああ、イーブイ君と坊主のことか」

イーブイ「あれ?顔が赤いですよ所長?」

ピカチュウ「うるせぇっ!」カァッ

イーブイ「所長ったら」ニヤニヤ
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Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.23 )
日時: 2013/05/10 00:59
名前: かざいわ◆XYSuaUDqWK6 ID:1GWT8xZo

---Part13---

「俺は確かにドアの鍵を閉めた! なのに何故お前は入ってこれた!?」

 ピカチュウはイーブイに向き直り勢いよく怒鳴りかかる。

「え、いやちょっと、所長……?」

 圧倒されるイーブイ。しかしピカチュウは構わず、

「どんな手段で侵入した!? えぇ!? 言ってみやがれ!
 ……そうか、犯人もお前と同じ手を使ったんだろうな、
 オラお前の一言で事件は解決だ! さぁいい加減白状しろやぁ!」

 この弾丸乱れ撃ちである。
あまりの手のつけようがない暴れっぷりに、イーブイはどうすることも出来なかったが……。

 〜10分後〜

「本当にすまなかった」

 ピカチュウは膝をついていた。

「いやぁ、ここまで寝起きがヒドい方も初めてですね」

 もはやイーブイも苦笑。

「いやマジで、夢ん中と色々ごっちゃになってたわ。
 さぞ見苦しかっただろうな、情けない」

「ま、過ぎたことです。お気になさらず。
 それよりも、市場に行く支度をしちゃいましょ!
 お母さんの証言と同じ時間に行くんですよね?」

 イーブイは下手に出た上司につけあがることもなく、いつもの笑顔で切り替えした。
そのどこまでも澄んだ心が、ピカチュウを優しく撫で下ろすのである。 

「あ、あぁそうだとも。すぐに終わらせるから、待ってろよ」

「はい!」ニコッ

 その後2匹は、しっかり戸締りをして事務所を出たのであった。
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Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.24 )
日時: 2013/05/12 17:43
名前: かざいわ◆XYSuaUDqWK6 ID:1GWT8xZo

---Part14---

 午前9時頃、オオタケ市場。
一本道の両端にずらりと様々な店が並び、めいめいにポケモン達が行き交う。
あちらに奥様方の井戸端会議があってみれば、そちらでは激しい値切り交渉が行われていたり、
まさに活気溢れる、商店街のような雰囲気であった。

「はーいみなさん寄ってらっしゃい見てらっしゃい!木の実のタイムサービスの時間だよ!
 本日はなんと、このマトマの実、5つで100P!さあさあ早いもの勝ちだぞーっ!」

 ある店から、威勢の良い声が響く。
ちなみにこの世界の通貨は、P(ポケ)である。日本円と似たような価値でとらえてもらって構わない。

「おいイーブイ君、買ってこうぜ」

 辛いものに目がないピカチュウにはさぞ魅力的であったことだろう。
飛ぶように次々に売れていくマトマの実を横目で見ながら言う。

「所長……私達、買い物にきたわけじゃ……」

 流石に呆れるイーブイ。ピカチュウもまあそうだなと納得しかけたが、この一声により事態は急変する。

「はいもうあと残り1セットだよーっ!これっきりだよーっ!
 さあさあ誰か買わないのかーい!?あと1分で定価に戻っちゃうぞー!」

 イーブイが横を向いたときには、ピカチュウは既にいなかった。
メンテ
Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.25 )
日時: 2013/05/12 17:44
名前: かざいわ◆XYSuaUDqWK6 ID:1GWT8xZo

---Part15---

「買った買ったーっ!そのマトマの実はいただいたーっ!」

 電光石火のごとく店主フローゼルの前に現れ、声を張り上げるピカチュウ。
フローゼルは面食らったような顔をして、

「ま、毎度ありぃ……。う、売り切れー!」

 周囲も少しざわついた。フローゼルの"残り1分"コールの後、
いったい何秒の感覚をあけて"売り切れ"コールがされただろうか。
あっけにとられる群衆の視線をものともせず、買いたてのマトマの実を生で一口。

「くぅ、うまい!」

 満足そうに実をほおばるピカチュウに対して、イーブイは気が気じゃない。
とっとと連れ戻したいところだが、注目の彼には近づくだけでも勇気がいるというものだ。

 (どうしてこんなことになっちゃてるの……)

 そしてようやく騒ぎも落ち着いた頃。

「所長……そのような行動は謹んでください。私達の目的はタイムサービスではありませんよ?
 というか、事件の調査に来たんですから、目立つようなことはタブーじゃなかったんですか!?」

 イーブイがピカチュウにお説教を始めるが、

「ん?あー……わりわり。でもなイーブイ君」

 口のまわりの食べかすをぬぐいながらピカチュウが返答する。

「こーゆーの、有益な場合だってあるんだぜ」
メンテ
Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.26 )
日時: 2013/05/14 22:24
名前: そうま◆Fi3rnYbBwTo ID:DSsIZcvA

更新待ってます!
依頼!バトルはある?質問だけ
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Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.27 )
日時: 2013/05/15 23:13
名前: かざいわ◆XYSuaUDqWK6 ID:1GWT8xZo

>>そうまさん
ありがとうございます!
更新遅くて申し訳ありません^^;
なにぶん多忙なもので……。

バトルですか。
正統派のガチンコバトルはないと思いますが、
刑事ドラマによくある、アクションシーン的なものは
書くことを予定しています。

ピカチュウ「え、だるい」
メンテ
Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.28 )
日時: 2013/05/15 23:14
名前: かざいわ◆XYSuaUDqWK6 ID:1GWT8xZo

---Part16---

「はぁ……?」

 イーブイは目の前の食いしん坊が何を言っているのかがわからず、困惑した。
ピカチュウは残ったマトマの実をカバンにしまい、

「まあ、見てな」

 それだけ言うと、先程のフローゼルの店の前に立った。そして、

「よ!おっちゃん!ごちそーさん、うまかったぜ!」

 そのままカウンターに身を乗り出して、威勢よく声をかけた。
フローゼルはまた少し驚いたような素振りを見せるも、すぐに言葉を返す。

「誰がおっちゃんだ! ……まあいい、今後ともごひいきに〜」

 その親しげな返事に、ピカチュウはしめたという顔をした。

「ところでさ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

「ん、なんだい?」

「ヌオーって、この市場によく来るか?」

 ここで、いよいよ切り出す。フローゼルはこの質問に、

「あぁ!よく来るよ!うちのお得意さんだからねぇ」

 こう即答した。ピカチュウはさらにニヤリとし、

「そうなのか。昨日は来たのか?」

 核心をつきにかかる。傍らのイーブイも、固唾を飲み返答を待つ。
フローゼルは、この問いには首をひねり、その後何かひらめいたかのような表情で答える。

「そういえば、昨日は珍しく来なかったよ。ほぼ毎日来てくれるのにどうしたんだろ」

「ふーん。他の店で買い物してる様子も見かけなかったか?」

 期待通りの答えに、自信を持って質問を続けるピカチュウ。

「いやぁ、そこまではわからんねぇ。俺はこの店のこともあるし」

「そうか……せめてここに来ていたかだけでも知りたいんだがね」

 ピカチュウはやや顔をしかめる。するとフローゼルが言った。

「お宅、どうしてそんなにヌオーさんのことが知りたいんだい?」

「あ、実は俺、こういう者で」

 思い出したかのようにそう言って、ピカチュウは名刺を差し出す。
それを見たイーブイも、あわてて自分の名刺を差し出した。

「ははー、なるほどね。だったら、俺の話なんかよりもっと情報になるもんがあるよ」

 そう言いながらフローゼルは、市場の案内書を取り出した。
メンテ
Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.29 )
日時: 2013/05/20 01:37
名前: かざいわ◆XYSuaUDqWK6 ID:1GWT8xZo

---Part17---

「ここに行ってみな」

 フローゼルの指は案内書に描かれた地図上の一点を指している。

「ここの"総合センター"か。」

「そうだ。防犯も取り扱ってるから、言えば監視カメラの映像とかも見せてくれるんじゃないか?」

 その場所に印をつけて、ピカチュウに手渡す。
ピカチュウもこの有益な情報と親切さには素直に感謝し、

「かもな。ありがとよおっちゃん!」、

 いつもの薄気味悪かったり、明らかに作ったものとは違う、素の笑顔で答えて店を去った。

「おっちゃん言うなぁ〜!」

 フローゼルも笑いながらそう言い、手を振っていた。
出会ったときよりも少し昇った太陽が照らす2匹の背中にまぶしさを感じ、目を細めて。

「……で、所長の言うあの目立つ行動のメリットって何だったんですか?」

 歩きながらイーブイが言う。

「おいおい、わかんなかったのかお前……」

 さっきの笑顔がなかったかのように、ピカチュウは顔をしかめる。

「さっぱり」

 開き直ったかのようにケロリと答えるイーブイ。
ピカチュウは大きく溜め息をひとつつき、諭すように語りかける。

「あのな、こういう場所ではな、雰囲気になじみ溶け込んで、フレンドリーな会話が出来るようにするんだよ。
 場違いにも形式的な聞き込みなんてやってたら得るもんも得られねぇ。
 まずはこの場の一員になった上で、普通の会話から話題をそらしていって情報を得るもんなの」

「そういうものなんですか……覚えておきます」

 ここで、ピカチュウが足を止めた。手元の地図と周りを見比べながら、

「ん、ここみたいだぜ」

 そう言って中へ入ろうとする。

「親しげに、フレンドリーに、ですね!」

 イーブイが後に続きこう言うが、

「アホか」

 一蹴。

「えぇっ!?さっき所長そう言ったじゃないですかぁ!」

「それ市場の中での話だからな? 今から行くのは事務業務を扱う"総合センター"だからな? ん?わかるか?」

 吐くように飛ばされてきたピカチュウの言葉に黙らされるイーブイ。
しゅんとした表情になって、そのまま中に入る。

 (やっぱおいてきたほうが良かったかコイツ……)
メンテ
Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.30 )
日時: 2013/05/20 18:24
名前: あ木偶◆zI5KZfll/F6 ID:wRItCdnI

更新お疲れ様です。
あかん、イーブイが可愛すぎます。
この子を私にください(おちつけ
メンテ
Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.31 )
日時: 2013/05/21 22:47
名前: かざいわ◆XYSuaUDqWK6 ID:1GWT8xZo

>>あ木偶さん
コメントありがとうございます。
イーブイ可愛いでしょ?狙い通りですぜ……(

ピカチュウ「くれって? い……いや、そ、それは困る」


>>ダイスケさん
ご愛読ありがとうございます。
これからも、楽しませることの出来るよう努力してまいります。
メンテ
Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.32 )
日時: 2013/05/21 23:01
名前: ピョンヤ・デポ◆n7LgnREwj5. ID:sSXyVsmE

 BREEDのダイスケです。

 毎回楽しみに読ませていただいています。これからも、所長の活躍、楽しみにしています。
メンテ
Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.33 )
日時: 2013/05/21 23:22
名前: かざいわ◆XYSuaUDqWK6 ID:1GWT8xZo

---Part18---

 受付には、キレイハナが1匹いた。

「いらっしゃいませ。こちらはオオタケ市場総合センターでございます。
 御用件はどういったものでしょうか?」ニコッ

 わかりやすい営業スマイルで、2匹に声をかける。

「えぇ、私、こういうものでしてね」サッ

 名刺を差し出し、ピカチュウがそのまま続ける。

「ただいま、とある事件の捜査中でございまして、真相解明のため……と言いますかね、
 まあ早い話が、こちらの市場の監視カメラの映像記録を拝借できないものかと思いまして」

 よくもまあ普段の言葉遣いからこうも一変するものだと、イーブイは改めて皮肉な感心をする。
その重ね着された依頼を受け、キレイハナはきょとんとした顔で答えた。

「はい、構いませんよ。では係のほうに連絡しますので少々お待ちください」

 そう言うと内線を取り出し、受話器の向こうの相手と何口か言葉を交わした後、

「では、ただいま係の者がお迎えにあがります」

 最初の笑顔はどこへやら、無表情に事務的な対応を終えると、
キレイハナはそのまま2匹に視線も合わせることさえなくなった。

 (何だありゃ。顔はまあまあ良くても中身は全く駄目だな)

 ピカチュウが眉間にしわを寄せてそんなことを考えているうちに、
奥のエレベーターの扉が開き、中からバリヤードが出てやってきた。
メンテ
Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.34 )
日時: 2013/05/21 23:26
名前: かざいわ◆XYSuaUDqWK6 ID:1GWT8xZo

---Part19---

「あっ、お宅さんが探偵の方々ですかい?
 ワタクシが防犯警備のほうを担当させていただいております者です、ハイ」

 なんとも特徴的な歩き方で2匹に近づくと、ぺこりと一礼。
2匹もつられるように礼を返すと、ピカチュウが口を開く。

「捜査へのご協力、感謝します」

 そう言って手を出し、軽く握手を交わした。

「いえいえ。では早速監査室のほうへご案内いたします、ハイ」

 促されるままエレベーターに乗り込み、それは上昇を始める。
360度ガラス張りで、室内や外を見渡せる構造になっていた。

「わぁ、近代的ですねぇ」

 イーブイが思わず口をこぼす。

「つい最近リフォームしたんですよ。最新の建築技術とモダンなデザイン性を取り入れております、ハイ」

 とバリヤードが自慢げに応えたところで、目的のフロアに到着、扉が開いた。

「えー、こちらが監査室になります、ハイ」

 バリヤードがロックを解除し、こちらも扉が開く。
その向こうには、いくつものモニターに囲まれたいかにもな空間が広がっていた。
メンテ
Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.35 )
日時: 2013/07/14 14:31
名前: そうま◆Fi3rnYbBwTo ID:NYRaJ6IM

支援あげー更新楽しみにしてます
メンテ
Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.36 )
日時: 2014/03/03 13:30
名前: かざいわ◆XYSuaUDqWK6 ID:1GWT8xZo

諸事情により失踪していましたが無事帰還しました。
もしかしたら続きの執筆もあるかもしれません。
とりあえず報告兼ねてageさせていただきますので、
ここまでのお話を読んでいただけると嬉しいです。
メンテ
Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.37 )
日時: 2015/08/24 00:12:08
名前: モッツーHSMAM ID:7ssbAfw6

面白いです!できるだけ早く更新してください!
メンテ
Re: ピカチュウ探偵事務所 ( No.38 )
日時: 2015/08/27 14:57:21
名前: 匿名 ID:T2M.Jjxo

>>37
いつのスレだと思ってんだよ
メンテ
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